第2話:思春期編 ― 暗闇を越えて見えた光
バスケ部でのスランプ
中学時代、私はバスケ部で活躍していました。けれど三年生になったある日から、急に体が重くなり、足が前に進まなくなりました。あれだけ軽く動けていた体が動かず、心と体がバラバラになる感覚。仲間や先生の期待に答えられない自分に、絶望を感じました。 「もう生きていたくない」――そう思ったこともありました。 それでも、仲間の優しい声や先生の言葉に救われました。 「岩田は岩田のままでいい。できるだけのことをやってみよう」 その言葉が私を踏みとどまらせてくれたのです。
合唱部での挑戦
高校では合唱部に入部。進学クラスでは部活に入らず勉強に専念するのが一般的だったけれど、私はあえて厳しい環境を選びました。鬼のような練習、楽譜を丸暗記する日々。辛くて同期の半分は辞めていきました。
けれど、私は「やめたい」とは一度も思わなかった。自分の意思で決めたからこそ、逃げる道は考えなかったのです。支えてくれたのは、仲間や先輩との絆、そして先生の「本物を極める」という妥協なき姿勢。最高の音楽を奏でられた瞬間には、鳥肌が立ち、観客の喜びがダイレクトに伝わってきました。その達成感は、今も忘れられません。
友情と小さな恋
思春期の私は、小学校の頃に荒れた反動もあってか、荒れることはありませんでした。優しい友達に恵まれ、学生生活は楽しいものになりました。
友達が教えてくれる新しい音楽に夢中になったり、カラオケで笑い合ったり、仲間内の小さなネタで盛り上がったり。クラスからは良い意味で少し離れた位置にいたけれど、その距離感が心地よかったのです。恋は、長い片想いばかり。追いかける専門でした。小さな田舎の学校で繰り広げられる「胸キュンストーリー」は、今思えばとても狭い世界の中の物語。でも当時の私には、それがかけがえのない時間でした。
自分との葛藤
この時期、一番つらかったのは「体が思うように動かない」こと。責任ある立場で部活に参加できず、人に迷惑をかけてしまうことが何より苦しかった。けれど振り返ると、そんなふうに自分に厳しすぎたところが、体を壊す原因のひとつだったのかもしれません。
一番嬉しかったのは、「普通」を体験できたこと。学校に通えること、仲間と笑えること。当たり前が当たり前にできることこそ、実は一番ありがたいことなんだと気づかされました。
気づきとメッセージ
当時の私に伝えたい。 「今は辛いけど、必ず最高の未来がやってくる。この暗い経験が人の役に立つ時が必ず来るから大丈夫。未来の私が光のエネルギーを送り続けているからね。大変な思いをしてくれて、ありがとう!」

